※×2 東京、東京 この街並み 歩く歩調は今日もオレたちなり アップダウン、ダウンタウン 迷子かい? ならば案内しよう この大都会 (宇多丸) オレは港区生まれ 文京区育ち 周りは至ってフツーの人たち(※1) 親の前じゃ本当に大人しい 一方 外じゃ奔放なクソガキ 坂道(※2)を駆け下りるチャリ 狭い裏の路地はいまだに砂利(※3) 山の手二割 下町八割 千駄木 根津 谷中 走り回った日 つまり山手線の輪の内側 それも特に東側 同じ区内で二回ばっかし越したが 何にせよオレが過ごした場 そこはひたすら懐かしい 波乱に富む話聞きたきゃ肩透かし 地元意識さえ少し気恥ずかしいくらいさ あの寂しい景色たち ただしオレには心地好い癒し 独りが良く似合うこの広い街 例えば平日夜の遊園地(※4) 散歩して浸るおセンチ まるで『未知との遭遇』のUFO みたいな観覧車見上げて空想 していた中坊時代は夢遊病のようにウロついたあの野球場 今は一応「渋谷が住所」(※5) だけどこの次はどこへ移住しよう? ひとつ確かなのは世界中の どこよりもオレが住みたい場所は そう ※ Repeat (Mummy-D) オレはヨコハマ生まれ ヨコハマ育ち とは言ったってザキ(※6)や元町みたいな 中心地から赤い電車(※7)乗って数分の辺り(※8)が出身地 つまりハマらしいハマじゃなくて 割とガラの悪い街のシャバスケ(※9) それも 東京に出てきてやっと気づいたってんだから笑わすぜ その後転々としてた田園都市線沿線 多摩川越して今年で10年 マイクで食ってこうと無我夢中で 気づけばオレも「渋谷が住所」(※10) 慣れちまったこのドライな風土 晩メシ代わりのファーストフード食うとちょいとおセンチな幡ヶ谷25時 顔も知らねえ隣のサイコな住人が(※11) やって来ておっ立てるフィンガー 曰く「ままならねぇんだよ睡眠が!」 マジで肩身狭い住宅事情 呪うぜタフなこの作詞業(※12) 気分転換は深夜のコンビニ巡り 目にしみるくわえ煙草の煙 オレはストレンジャー in メトロポリス やたら巨大なジグソーの1ピース 帰ったってかえって悲しくなる 地元無くした根無し草 東京、東京 この街並み 埋めるパズルとパズルの交わり アップタウン、ダウンタウン 迷子かい? なら共に彷徨おう この大都会 ※ Repeat [注] (※1)周りは至ってフツーの人たち:でしたが何か?(宇) (※2)坂道:が多いあたりなんですよねホントに。(宇) (※3)狭い裏の路地はいまだに砂利:今はどうなんでしょうねぇ。(宇) (※4)遊園地:以下6小節、後楽園ゆうえんち(現・東京ドームシティ)あたりの話。(宇) (※5)「渋谷が住所」:K DUB SHINEのセカンドアルバム『生きる』(2000年)収録曲 タイトル。(宇) (※6)ザキ:伊勢崎町の略。(D) (※7)赤い電車:京浜急行線。なぜかおもにあまり治安のよろしくないあたりを通る。 通過駅が近づくとスピードを上げる(気がする)。(D) (※8)乗って数分の辺り:産まれたのが「南太田」近辺、小学校が「屏風ヶ浦」近辺、中 学の頃は「上大岡」、高校時代が「京急富岡」、大学は「金沢文庫」から通い、現在実家は 「井土ケ谷」にあるため、このような表現になりました。(D) (※9)シャバスケ:ダサイこちゃん。一般に「シャバゾウ」。ライミング出来なかった ため造語に。大介だからということで自分を説得する事に成功。「キャバスケ」とは 似て非なる存在。(D) (※10)「渋谷が住所」:(※5)参照。(D) (※11)隣のサイコな住人:ホントは下のヤツ。バットを持ってロビーをうろつく。上 のカップルは毎日ケンカをしていて、朝方女の絶叫がきこえる。そしてオレの音楽 も相当うるさいのだろう。(D) (※12)作詞業:意外とよく使うライム。(D)