川面を走る柔らかな風は ふたり過ごしていた季節と同じ匂いがして 目を閉じて思い浮かべる あの日の君の姿 手を伸ばしても そこに君はいない どんなにずっと待ち続けてても 帰る場所は此処じゃないと そうわかっていたとしてもどこか 君の影を引きずっている 二人並べたあのたくさんの希望・夢 今もこの胸の奥で あたたかな温もりに包まれたまんま かくれんぼ いつもどおり夕暮れ帰り道 急ぎ足とめる丸田町の信号で 君によく似たひと 見かけるたびに何度も ドキドキしては凹んで息が詰まった こんがらがった想いはまだ僕の心で滲んでアザみたいになって 何千回も思い出してはいつも底のほうで疼いている 忘れるのは想像してた以上に非常に難しいんだなぁ どうすりゃいい? この曖昧なわだかまり 押さえきれぬまま かくれんぼ 君が笑って手を振ったあの時 頬をかすめて花びら舞った 本当のさよならだってことをぼくに気づかせないよう おどけてたね ちょっとぎこちない下手な芝居をちゃんと最後まで見届けていたんだよ 今 別々の道を進むことを選んだとしても いつか君を見つけ出すその日が来ると信じたまま かくれんぼ