(第八巻 324頁) 「…Arbelge」時代が求めた英雄 それとて満ち足りた事ではない いや むしろ欠けてさえいる 大切な何かを置き忘れてきてしまった… 「…Arbelge」理由などに意味は無い 斬ってしまえば同じ 悪意なき剣など無し 身を寄せる場所もなく ただ血の雨の中を駈け抜けた時代… 「…Arbelge」繰り返す痛み 願わくば 戻りたいとさえ想った 何も知らなかったあの頃に 何一つ歴史は変わらないとしても… …最初の惨劇… 「若者よ臆するな、震える膝を鞭打って進め… 迫りくる敵軍は五千、何としてもこの森で食い止めろ…」 幼き日の思い出よ 泣き虫だった少年は 騎士の誇り 信念を胸に 絶望が渦巻く戦場へ… その身朽ち果てようとも 守りたいものがあった… 母さんと木の実を拾った森… 父さんと釣りをした川… 君と約束を交わした丘… 幼き日の思い出よ あの夏の少年は 右手に剣 鈍い光を放ち 死神が招く戦場へ その身朽ち果てようとも 守りたいものがあった… 彼は逃げない 運命は誰を選ぶ… 彼は逃げない 歴史は何を紡ぐ…