ふとすれば 過ぎる 雲の下
穏やかに 響く 波の声
思えば いつでも ため息ばかりで
涙していた
歪(ひず)みを見つけては
ひとり 胸の中に閉じ込めた
幼いわたしが風波(かざなみ)に揺れる
もしも時間が少しの間 夢を見るのなら
過ぎたあの日の 振り向きもせず 急ぐわたしに
会いたい もう一度だけ
せつなさも 愛しすぎて
今もなお 明日(あす)は 吹きぬける
受け止める 頬は 心地よく
思えば いつでも いつでも誰かが
見つめてくれた
淡い思い出は
昇 華(のぼ)る気体になって
ふわりと そよ風に乗る
笑顔に気付けずに
ひとり 胸の底で彷徨った
悔やんだ自分があどけなく映る
もしも時間が少しの間 夢を見るのなら
もしも時間が少しの間 夢を見るなら
会いたい もう一度だけ
せつなさも 愛しすぎて